私が翻訳をすることになった経緯

私は外国に留学したいという夢を持ちつつも、若い頃は叶わず、独学で15年以上、英会話の勉強を続けてきました。その課程で、業務上英語翻訳を必要とされる事案が発生し、手がけたのが初の翻訳作業となります。翻訳した内容は、社内システムの操作マニュアルでした。

その後も、バイリンガルのテレフォンオペレーターなどをしながら、合間にユーザーマニュアルやヒント集などを翻訳する機会に恵まれ、それまで培った英語力で業務をこなしました。しかし、英語の表現力についてどこか自信を持つことができずにいました。

ある時、留学する機会が巡ってきたため、一年の留学を果たし、私の英語に関する不安がすべて払拭されたとは言えないまでも、自信を持てるある一線は越えたという実感がありました。その後、帰国して就職し、社内メールは英語という会社ではありましたが、業務の傍ら、マニュアルやユーザー向けメールマガジンの翻訳など担当しました。ここまでの翻訳は、ほぼITに関するものだったため、業務知識に積み重ねがあったため、特に翻訳に関して苦労は感じませんでした。

その次の職場では、通訳/翻訳の業務でしたが、ここでの翻訳にはとても苦労しました。というのも、翻訳内容が今までに経験のない分野のことであったため、まず日本語での理解が必要だったこと、また日本語原文内に、多くの業界用語が散りばめてあり、その用語は技術者に直接聞いても、技術者は無意識で使用していることが多く、一般的な言語にし直すのがまず難しかったことがあります。その上で、英語は万国共通な表現を目指しました。というのも、イギリスとアメリカで同じことを表現するのに別の単語を用いることもあるからです。なるべく、その中庸を取るよう、それぞれの国の担当者にヒアリングするなどしましたが、英語と一口に言っても様々な場所で様々に変化し続ける言語で、後生に残る文書を作成するのに責任を感じました。